警察官が乗る車両にはいろいろな種類があります。パトカー、ゲリラ対策車(ハイエース)、指揮官車、人輸送用の大型バス、マイクロバス、キッチンカー、貨物車、特型警備車などなど…。自動車以外にも交番勤務員が乗るバイクや自転車、交通課員が乗る白バイなんかもありますね。

実はこういった警察車両には、警察官以外の人(一般人や被疑者など)に強奪された際でも動かないようにするために「隠しスイッチ」と呼ばれるものが装備されています。

さすがに交番用のバイクや自転車にはありませんが、4輪以上の車には何らかの隠しスイッチが備わっていることが多いです。

警察車両の隠しスイッチの位置

多くの場合、隠しスイッチは運転席の足元シフトレバーの近く、あるいはハンドルの下側の方に隠されています。

一般的な車では運転席に座った後、エンジンキーを回せばエンジンがかかります。

しかし隠しスイッチがある車両の場合、エンジンキーを回しただけではエンジンがかかりません。エンジンキーを回す前に隠しスイッチのボタンを押し、それからエンジンキーを回さないとエンジンが起動しないようになっています。

ゲリラ対策車(車体が青色で窓に金網が付いているハイエース)のようにそれほど高価ではなく、また数が多かったり仮に盗まれたとしても悪用しにくい車両の場合は隠しスイッチが備わっていないこともありますが、大型バス、爆処理用の資機材を載せている貨物車などには必ず隠しスイッチがあります。特に機動隊に配備されている車両には隠しスイッチがあることが多いです。

警告音が鳴るタイプも

エンジンが掛からなくするための隠しスイッチの他にも、ドアを開けた際に警告音がなるタイプの隠しスイッチもあります。

パトカーはこのタイプで、運転手、もしくは助手席に乗車している警察官が隠しスイッチを押さずにドアを開けるとアラームが鳴ります。一般車両でも盗難防止装置を付けている車では不用意に触るとアラームが鳴りますが、あれと同じですね。

任意同行中の関係者や護送中の被疑者が逃走を試みてドアを開けても、アラームが鳴るので異常を知らせることができます。

街中でパトカーからアラームが聞こえてくることはほとんどありませんが、警察署の駐車場からアラームが聞こえてきた場合はパトカーに乗り慣れていない新人警察官か助勤(パトカー勤務員が休みの日に代役としてパトカー乗務をすること)で乗っている人が隠しスイッチの存在を忘れて”ウッカリ”とドアを開けた場合です。私もよく隠しスイッチのことを忘れてドアを開けてしまい、深夜の駐車場でアラームを鳴らして先輩に怒られました。

警察車両は悪用される危険性が高い

警察車両は制服と同じで、外見が名刺代わりになります。

パトカーを運転しているだけで、一般の方たちは警察官が運転していると思い込んでしまいます。本当は警察官から車を奪った犯罪者が運転していたとしてもです。

街中で偶然通りかかった人に名前や住所も聞かれても答える人はいませんが、警察官に質問されたら氏名や住所を答えてしまうと思います。警察の車両にはそれと同じだけの効果があり悪用される危険性も高いので、隠しスイッチみたいな悪用防止装置は必須ですね。

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