「本物の警察官とニセモノの警察官との違い、見分け方を知りたい。」
知人からこのような要望を受けましたのでご紹介します。
本物の警察官の見分け方
目の前にいる人が本物の警察官なのかニセモノなのかを見分ける方法ですが、
- 髪型を見る(男性の場合、耳や襟足に髪がかかっていることはあり得ない。長髪はニセモノ)
- 帽子の着用方法をチェック(”阿弥陀かぶり”になってないか)
- 警察手帳を見る(顔写真がハッキリ見えるように提示してくれているか?脱落防止の紐は結着されているか?)
があります。
髪が長かったらニセモノ、短髪なら本物
まず髪型ですが、警察官は各所属ごとに毎月『招集日』と呼ばれるものがあり、そのときに『月例点検』を受けています。
月例点検では警棒や手錠といった装備品が壊れていないか点検するとともに、髪型や服装のチェック、靴の汚れは無いかなどを署長や幹部がチェックします。
当然、男性警察官であれば耳や襟足にかかるくらい髪が長いと指摘されますので、招集日前までに散髪に行き髪型を整えておきます。そのため、もしも職質してきたり自宅を訪問して来たりした警察官の髪が長かった場合、その人はニセモノの可能性が高いです。
警察経験者が警察ドラマを見ているときにもっとも違和感を覚えるのが髪型で、坊主頭やスポーツ刈りにまではしなくても、俳優の髪が長いといかにもニセモノ感が滲み出てしまい、見ていて不快感すら湧いてきます。
女性警察官については、髪が肩よりも長い場合はゴムなどで束ねるよう通達されています。そのため、ロングヘアーのまま髪を束ねていない女性警察官がいた場合、ニセモノの可能性が高いと言えます。
また、警察官は髪の色を茶髪や金髪に染めることもできません。
公務員なので髪を染めてもクビにはなりませんが、上司からの圧力で元に戻されたり、依願退職という形で実質的なクビにされることはあります。
例外として、職務上必要な場合に限り、髪を染めたり長髪が許されたりすることがあります。
私が見たことがある事例としては、SIT(刑事部特殊犯捜査班)の隊員で茶髪や長髪、ヒゲなどの警察官がいました。
しかしこういった事例はあくまでも”特殊な事例”ですし、制服を着て現場に出たり職務質問をさせたりすることはありません。現場に出ない警察官だからこそ、例外的に許されています。
以上のように、髪型を見れば本物の警察官なのかニセモノなのかがだいたい判断できます。警察手帳を見せられたり「制服を着ているから」という理由だけで警察官だと信じてしまうと、「実は相手は詐欺師だった」という場合もあるので気を付けましょう。
帽子の着用方法
制服警察官の場合、帽子がどのように着用されているかでも判断できます。
警察官の帽子は「額(おでこ)が見えないように目深にかぶること」が内部規定により決められています。前側を上にあげて後頭部側に寄せるかぶり方は”あみだかぶり”と呼ばれますが、あみだかぶりをしている場合は制服を着ていたとしてもニセモノの可能性が高いです。
警察官でも暑いときは風が入ってくるようにあみだかぶりしたくなるのですが、市民との応接中や職務質問をしているときは禁止です。あみだかぶりの制服警察官(っぽい人)に話しかけられたときは警戒してください。
警察手帳を見せてくれるか?顔写真はハッキリ見えるか?紐で結着されているか?
職質時や巡回連絡時、あるいは市民から「警察手帳を確認させてほしい」と求められたとき、警察官は警察手帳をはっきりと提示する義務があります。
”提示”というのは内容が確認できるようにハッキリと見せることなので、警察手帳を提示する場合は
- 顔写真
- 氏名
- 階級
がよく見えるように提示しなければなりません。これは警察学校でもうるさく指導されています。
そのため、
- 顔写真の部分を指で隠しながら手帳を見せる
- 一瞬だけ見せて、すぐにしまってしまう
- 「警察官は制服が名刺みたいなものだから」などとごまかし、警察手帳を提示してくれない
- 手帳の提示を求めると不機嫌になる
といった場合は偽物の可能性が高いです。
その場合はその場ですぐに110番通報し、「警察官を名乗る不審者に職質されている」と通報し、本物の警察官が到着するのを待ちましょう。
警察官を名乗っている怪しい人物がもしも仮に本物の警察官だったとしても、市民の要求に応じなかった方が悪いので通報者側が罰せられることはありません。詐欺事件の可能性もあるわけですから、通報しておいた方が無難です。
また、警察手帳はとても大事なものなので、落とさないようにするために脱落防止の紐と結着されています。
紐の反対側は
- 制服警察官の場合は、上着かワイシャツの左ポケット(ポケットの内側にボタンが縫い付けられており、ボタンと結着する)
- 私服の場合はズボンのベルト、およびベルト通し
に「もやい結び」と呼ばれる特殊な結び方で結着されています。手帳を見せてもらった際、反対側がどこに伸びているのかを確認しておくといいです。
刑事や機動捜査隊員の場合は?
私服で職務を行う警察官の場合も、髪型や手帳の提示方法は同じです。けん銃や手錠、警棒の携帯方法だけ少し違います。
けん銃はスーツの捜査員の場合、上半身のホルスターに携帯してその上から上着を着用。刑事ドラマでよく見かける方法で携帯しています。機動捜査隊はウエストポーチに仕舞ってお腹の部分に携帯することが多く、服装もスーツより釣り人っぽい服装をしていることが多いです。
手錠と警棒は制服警官と同じで帯革で腰に装備しますが、警棒は古い警棒(新しいものよりも短い)を装備します。
私服警察官(刑事)の場合は服装だけで本物かニセモノかを見分けるのは難しいので、手帳の提示方法や髪型で確認しておくのが良いです。
以上、本物の警察官と偽物の警察官の見分け方について解説しました。
世の中には、職務を偽って国家権力を乱用しようとしたり個人情報をだまし取ろうとしたりする悪人が存在します。
警察官に化ける犯罪者もいますので、騙されないように気を付けましょう。