現役警察官が拾得物の財布から現金を抜き取っていたとして書類送検されました。

警察官が落とし物の財布から現金を横領していました。

神奈川県警によりますと、川崎警察署所属の24歳の男性巡査は2017年の9月から去年6月までの 間に自分の勤務していた交番に落とし物として届け出のあった財布から現金を抜き取っていまし た。合わせて10件、約11万円に上ります。自宅からは交番に届け出のあった鍵の束も見つかっていて「住所が分かれば、盗みに入るつもりだった」と話しているということです。神奈川県警は男性巡査を24日付で懲戒免職処分とし、業務上横領などの疑いで書類送検しました。

警察官が落とし物財布の現金横領 自宅から鍵の束も(テレビ朝日)

警察官による犯罪はそれほど珍しいことではなく、毎月のようにニュースになっています。そのため特段ネタにするようなことではないのですが、今回の神奈川県警警察官による業務上横領について個人的に気になった部分があったので書き記しておきます。

なぜ家宅捜索ではなく”自宅を捜索”なのか?

私が気になったポイントというのは『自宅からは交番に届け出のあった鍵の束も見つかっていて』という部分です。

なぜこの一文が気になるのかというと「家宅捜索」という言葉を使うのではなく、あくまでも”自宅”を捜索したことを匂わせているからです。

犯罪の証拠を見つけるために家宅捜索をする場合、一般的な犯罪捜査では裁判官に令状を発行してもらい、司法手続きに従って家宅捜索することになります。

ところがこの警察官の事件(不祥事)の場合は家宅捜索ではなく”自宅を捜索”となっており、裁判官に令状を発行してもらってから捜索する正規の手続きによるものではなく、警察組織が独自に(勝手に)警察官の自宅を捜索し鍵の束などの証拠品を発見した可能性があります。というか、その可能性が高いです。

罪を犯した警察官に人権は存在しない

実は警察官が罪を犯した場合やその可能性がある場合、正規の司法手続きによる家宅捜索や証拠品の差し押さえが行われることはほとんどありません。一般人が相手だったらできないような方法で、ありとあらゆる人権を無視して警察組織が総力をあげて捜査を行います。犯罪を起こした疑いがある警察官には人権など存在しないのです。

法律に従って犯罪者を取り締まり、そのために強大な権力を与えられている以上、これは仕方のないことです。権力の濫用を防ぎ、取り締まりを受けた側にも納得してもらえるようにするためには、取り締まる側にはより一層強固な規律が求められます。

その規律を破り、市民からの信頼を失う行為をおこなった以上、一般人と同じように扱うことはできません。当然の報いとして、正規の司法手続きによらない(ある意味では違法な)捜査を受けることになります。

これから警察官になろうとしている方はこういった事実にも目を向け、(あってはならないことですが)万が一自分に犯罪の容疑がかけられた際には逃げ道がないということを覚えておきましょう。

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